自在化身体論用語集
自在化身体技術に関連する用語の意味をご紹介します。
INDEX
自在化身体論
2021年2月にNTS出版より発刊の書籍。
稲見ERATO 自在化身体プロジェクトの総括稲見昌彦教授をはじめ、グループリーダーを中心に自在化身体の概念と技術を原点から紐解いた書籍。
〈 書籍情報 〉
- 発刊日 2021年2月19日
- 定 価 本体1,800円+税
- 頁 数 256頁
- 造 本 B6変
- 発行所 (株)エヌ・ティー・エス
- ISBN 978-4-86043-685-8 C3004
ERATO
ERATOは、Exploratpry Research for Advanced Technologyの略。
科学技術振興を目的として設立された国立研究開発法人科学技術振興機構(Japan Science and Technology Agency、略称:JST)が1981年に発足した創造科学技術推進事業を前身とするプログラム。
1つのプロジェクトあたりの予算規模は、総額上限12億円となっており、また研究期間は原則として5年半以内である。
大規模な研究費をもとに既存の研究分野を超越した分野融合や挑戦的な研究アプローチを推進する。
プロジェクトの総責任者の研究総括は、自らの独創的なアイデアに基づいて研究領域をデザインする。
異なる分野や機能の3〜4程度の研究グループを多様な専門性やバックグラウンドをもつ研究者から構成し、指揮することで、新たな研究分野開拓に取り組む。
参照: ERATO
JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト
稲見ERATOは、JST科学技術振興機構の戦略的創造推進事業のERATOのプロジェクトの一つ。
プロジェクト期間は、2017年10月から2023年3月まで。
東京大学先端科学技術センター 東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学、豊橋技術大学、電気通信大学、フランス国立科学研究センター、株式会社ジザイエの7拠点の研究者からなる5つの研究グループが連携して研究を推進する。
身体や行動のシステム的な理解に基づき、VRやヒューマンアシスティブロボット、ウェアラブルコンピューティング、脳情報デコーディング、機械学習などの様々な手法を用い、超スマート社会に適応可能な「自在化身体」を構築する技術基盤を確立することを目指す。
〈 稲見ERATO / Inami Jizai Body Project 〉
稲見昌彦
東京大学先端科学技術研究センター 身体情報学分野 教授。博士(工学)。
JST ERATO稲見自在化身体プロジェクト 研究総括。
研究分野としては、人間のシステム的理解、人間拡張工学、自在化技術、エクスペリエンス工学、エンタテインメント工学。
東京大学助手や電気通信大学での講師・助教授・教授、マサチューセッツ工学大学コンピューター科学・人工知能研究所客員科学者、慶應義塾大 学大学院メディアデザイン研究科教授等を経て現職。
米TIME誌Coolest Invention of the Year、文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞。
超人スポーツ協会代表理事、日本バーチャルリアリティ学会理事、日本学術会議連携会員等を兼務。
著書に『スーパーヒューマン誕生!人間はSFを超える』(NHK出版新書)、『自在化身体論』(NTS出版)、『ネオ・サピエンス』(集英社インターナショナル)他。
〈 稲見昌彦 教授 〉
身体情報学(英:Infomation Somatics)
身体情報学は、生理的・認知的・物理的知見に基づいて、システムとしての身体の機序を追究する。
身体情報学では、自在化技術や人間拡張工学、主観的体験の共有・伝達技術、知覚・感情体験の設計について研究を行う。
東京大学 身体情報学分野 稲見研究室では、バーチャルリアリティや拡張現実、ウェアラブル技術、ロボット、機械学習を用いて次の4つの実現を目指し研究を進めている。
- 身体を「情報システム」として理解すること
- 新たな身体像を獲得する「機序、トレードオフ、適用限界」を明らかにすること
- 身体性に関する疑問・仮説を理論と実装により「工学的に証明」する
- 「人型」と言われていた既存の概念が揺らぐほど社会の身体観を変容させる
〈 身体情報学分野 〉
光学迷彩(英:Optical camouflage)
光学迷彩は、物体を光学的に透明化し、周囲の背景と溶け込ませ存在を見えないようにする技術。
東京大学 先端科学技術研究センター 稲見研究室では、光学迷彩を再帰性反射材をカモフラージュしたい物体に貼付け、事前に撮影した背景映像、もしくはリアルタイムの映像をヘルメット・マウンテッド・プロジェクタ(HMP)で投影することによって実現した。
〈 動画 〉
- Optical Camouflage (1st Prototype 1998/Aug/16) 2/2
- Optical Camouflage
- Optical Camouflage – Wired NextFest 2004
6th Finger
6th Fingerは、電気通信大学 大学院情報理工学研究科の梅沢昂平氏、鈴木悠汰氏、機械知能システム学専攻宮脇陽一教授らとフランス国立科学研究センター(CNRS)のGowrishankar Ganesh主任研究員と共同で開発された人工身体部位。
人間の手に装着し他の身体部位と独立に動かせる人工指で、一時間程度装着し、使用に慣れることで、6th Fingerの装着者は6th Fingerを自分の身体の一部と感じることができる。
本来人間にはない6本目の指を自分の体の一部と感じられるという実験結果から、人間は新しく加えられた身体部位を取り込み、自らの身体を拡張できる可能性を実験的に証明した。
6th Fingerは、科研費挑戦的萌芽研究およびJST ERATO稲見自在化身体プロジェクトの支援を受け研究された。
参照:【ニュースリリース】独立制御可能な「第6の指」を身体化することに成功
MetaLimbs(メタリム)
MetaLimbsは、2本のロボットアームを人間に背負うように装着し、足に靴下型デバイスとつま先と膝に光学マーカーを取り付け、足の動きをマッピングすることでその2本のアームを自在に操ることができるプロトタイプ。
東京大学 先端科学技術研究センター 稲見研究室とKMD Embodied Media Projectの共同で開発された。
複数のロボットアームを操り、ロボットアームに機能を与えることで、人間の身体能力を拡張することもできる。
第21回文化庁メディア芸術祭 エンターテインメイント部門 新人賞受賞。
〈 MetaLimbs 〉
超人スポーツ
超人スポーツは、人間拡張工学に基づくテクノロジーによって従来の人間の身体能力を超える力を身につけ人機一体となった「超人」同士が競い合う新たなスポーツのこと。
2015年6月に設立された超人スポーツ協会では、次の超人スポーツ三原則を定め新しいスポーツに取り組んでいる。
- すべての参加者がスポーツを楽しめる
- 技術とともに進化し続けるスポーツ
- すべての観戦者がスポーツを楽しめる
参照:超人スポーツ協会
VR
VRとは、Virtual Realityの略。日本語では、「人工現実感」や「仮想現実」と訳される。
仮想の空間で、あたかも現実であるかのような体験をすることができる。
VRゴーグルを装着することによって、仮想空間の世界に没入する感覚を得られる。
物理世界や生身の身体では体験することが難しい事柄をVRを通じて、自らの能力を拡張したかのように感じることができる。
ウェアラブル・デバイス
ウェアラブル・デバイスは、「身体に装着できる」「身につけられる」情報機器を指す。
腕時計やリストバンドのように手首に着用するタイプや、眼鏡のように身につけるタイプ、指輪タイプなどがある。
腕時計・リストバンドタイプのものは、心拍数や歩行数、睡眠時間などの健康管理に関わる生活習慣のデータを収集する端末が多い。
また、スマートフォンと連携しスマートフォンで受けた情報を確認するなどの機能を備えたものもある。
眼鏡のように身につけるタイプは、ARやVRの技術を体験するのに用いられることが多い。
テレイグジスタンス(英: Telexistence)
テレイグジスタンスの概念は、東京大学名誉教授で工学博士の舘 暲が1984年に世界で初めて提唱した。
舘研究室のホームページによると、テレイグジスタンスの概念は以下のように説明されている。
テレイグジスタンス (telexistence:遠隔存在) とは、遠隔を意味するtelあるいはteleと、存在を意味するexistenceを合わせた造語で、人間が、自分自身が現存する場所とは異なった場所に実質的に存在し、その場所で自在に行動するという人間の存在拡張の概念であり、また、それを可能とするための技術体系です。
引用:テレイグジスタンス
テレイグジスタンス技術は、遠隔のロボットを自分の分身として操作することによって、時間や空間の制約から解放しようとしている。
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